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こう考えて、履歴書を書く手が止まっていませんか。
特にミドル世代の転職では、「人間関係が理由」と言うと、協調性がない人だと思われないか不安になります。マネジメント経験を積んできた人ならなおさら、余計に評価が気になるものです。
【結論】
人間関係を退職理由にすること自体は、まったく問題ありません。大切なのは「何を伝えるか」ではなく「どう伝えるか」です。
キャリア中盤にさしかかると、部下や後輩を持つ立場だった人も多く、「人間関係で辞めた」と言うと、マネジメント能力そのものを疑われるのではと心配になります。
ただ、実際には伝え方さえ整えれば、その不安の多くは解消できます。

私自身も転職活動で、退職理由の伝え方に悩んだ経験があります。事実を隠さず、でも伝え方を変えただけで、面接官の反応は驚くほど変わりました。この記事では、その具体的な方法を10年以上採用面接官も務めてきた立場からお伝えします。
退職理由が「人間関係」でも面接で正直に言っていい?
まず知っておいてほしいのは、人間関係が理由で退職する人は、あなただけではないという事実です。
「本当のことを話して、面接官にどう思われるだろう」という不安は、正直に向き合おうとしている証拠でもあります。まずは客観的なデータから、自分の状況を冷静に捉え直してみましょう。
人間関係が原因の退職理由は珍しくない
エン・ジャパン「本当の退職理由」調査(2024年)によると、退職経験者の54%が「会社に伝えなかった本当の理由がある」と回答しています。
そして、会社に伝えなかった本当の退職理由の第1位は「人間関係が悪い」で46%でした。
一方で、会社に実際に伝えた退職理由の第1位は「別の職種にチャレンジしたい」(22%)でした。しかし、本当の理由としては9位(6%)まで下がっています。

多くの人が、人間関係という本音を別の言葉に置き換えて伝えているんです。
この傾向は一時的なものではありません。
エン・ジャパンが2022年に実施した調査でも、本当の退職理由の上位2つは
- 人間関係が悪い
- 給与が低い
でした。
2024年調査と傾向が一致しており、人間関係の悩みは特別なものではないとわかります。
つまり、面接官側も「退職理由を人間関係とは言いにくいものだ」ということを、経験上よく理解しています。だからこそ、無理に別の理由を作るより、事実を誠実に伝えたほうが、かえって信頼につながるケースも少なくありません。
「伝え方」次第で評価が変わる
人間関係が理由で退職すること自体は珍しいことではないと理解されたと思います。ただし、面接で伝え方を間違えると、あなたの評価を大きく下げてしまいます。
ダイヤモンド・オンラインに寄稿した株式会社クライス・アンド・カンパニー代表取締役の丸山貴宏氏は、露骨な悪口を言わなくても、話し方から「他責思考」を面接官は見抜くと指摘しています。
記事内では「他責思考の人材を企業は敬遠します。うまくいかなかった原因を外部や他人に置く傾向の強い人は、自分自身の判断や行動を改善しないからです」と述べられています。
人間関係での退職理由が「事実」として扱われるか「他責の姿勢」として扱われるかで、評価が正反対になる。
面接で人間関係を退職理由として伝える際の3つの注意点
退職理由を人間関係と伝えるときは、次の3つを意識してください。
この3つを守るだけで、印象は大きく変わります。
逆に言えば、この3つを外すと、どれだけ理路整然と話しても「他責思考の人」という印象が先に立ってしまいます。一つずつ順番に確認していきましょう。
注意点①会社や特定の人物への不満・悪口を口にしない
「上司が理不尽だった」「同僚が非協力的だった」といった表現は、たとえ事実でも避けましょう。
面接官には、あなたの言葉を通じて「前職の悪口を言う人」という印象しか残りません。
会社名や個人名を出さず、状況を客観的な事実として説明することがポイントです。感情ではなく事実を伝える意識を持ちましょう。
面接という場では、言葉に出さなくても表情や声のトーンから不満がにじみ出ることがあります。
話す前に一度、紙に書き出して「悪口になっていないか」を客観的に確認しておくと安心です。

前職で面接をしていた時、会社に対する不満が表情と声のトーンからにじみ出ている求職者さんや思いっきり悪口を言ってくる求職者さんがいました。(笑)
「自分にも改善点があった」という視点を添える
人間関係の悩みは、一方的な被害ではないケースがほとんどです。
あなた自身に改善の余地がなかったか、振り返る姿勢を見せましょう。
「相手が悪かった」で終わらせず、「今思えば自分ももっと〇〇できた」と付け加えるだけで、印象は誠実な人物へと変わります。
ミドル世代の場合、部下や後輩との関係で悩んだ経験がある人も多いはず。
「自分の指示の出し方に工夫の余地があった」など、マネジメントの視点からの振り返りを添えると、より説得力が増します。
再発防止・学びを前向きな言葉で伝える
退職理由は「過去の説明」で終わらせず、「今後どう活かすか」まで話すことが重要です。

経験し学んだことを次につなげる姿勢が、面接官の安心材料になります。
「次はこうしたい」という前向きな言葉で締めくくることで、話の印象そのものが変わります。
過去の説明で終わる人と、未来につなげる人とでは、面接官が受ける印象に大きな差が生まれるのは言うまでもありません。
退職理由が人間関係|面接での伝え方例文5
ここからは、実際に使える例文を5つのケース別に紹介します。
あなたの状況に近いものを参考に、言葉に置き換えてみてください。
いずれの例文も、先ほど紹介した3つの注意点
- 悪口にしない
- 自分の改善点を添える
- 前向きな学びで締めくくる
という型に沿って作られています。
丸暗記するのではなく、あなたの実際の経験に当てはめて言葉を選び直してみてください。
例文①|上司との関係が理由の場合
指示の受け取り方や報告のタイミングでズレが積み重なったケースです。
上司個人への評価ではなく、コミュニケーションの仕組みの問題として語ります。
例文②|同僚・チームとの関係が理由の場合
特定の誰かではなく、チーム全体の連携不足が背景にある場合の例です。
自分自身も当事者だったという視点を忘れずに盛り込みます。
例文③|社風・組織文化とのミスマッチが理由の場合
誰かとの対立ではなく、組織全体の価値観との相性が合わなかったケースです。
志望企業の社風への共感とセットで語ると、前向きさが伝わります。
例文④|ハラスメントが背景にある場合の伝え方
ハラスメントが背景にある場合は、隠す必要も誇張する必要もありません。Indeedによると、事実を伝えること自体は問題なく、重要なのは感情や愚痴ではなく客観的事実のみを簡潔に伝えることです。
いつ、どんな出来事があり、業務にどう支障が出たかを淡々と述べ、「前職の課題→自分が活躍できる場を求めた→志望企業の魅力」という流れで組み立てるとよいでしょう。
例文⑤|円満退職を強調したい場合
人間関係の難しさはありつつも、最後まで責任を持って対応できたことを伝えたい場合の例です。
感謝の言葉を添えることで、誠実な人柄が伝わります。

採用面接官の立場で聞いていても、この5つの型はどれも自然に聞こえます。逆に評価を下げるのは、次のようなケースです。
- 固有名詞や役職名を出して状況を説明する
- 「向こうが悪い」で話が終わっている
- 今後どうするかが語られていない
事実と前向きな言葉、この2つがそろっているかを、話す前に一度確認してみてください。
面接官に「人間関係が原因」と思わせないための言い換えフレーズ集
同じ内容でも、言葉を選ぶだけで印象は大きく変わります。
よくあるNGワードと、そのOKワードへの言い換えを一覧にしました。
ポイントは、主語を「相手」から「自分」に変えることです。
「〜された」という受け身の表現を、「〜したいと考えるようになった」という自分主体の表現に置き換えるだけで、印象は前向きになります。
NGワード→OKワードの言い換え一覧
NG:「上司と合わなかった」
OK:「自分の考えを伝えるタイミングや方法に、改善の余地があったと感じています」
NG:「職場の雰囲気が悪かった」
OK:「チームで議論しながら進める文化に、より魅力を感じるようになりました」
NG:「同僚のレベルが低かった」
OK:「役割分担や情報共有の仕組みが整った環境で、より力を発揮したいと考えました」
NG:「社員同士が連携をとる仕組みが成り立っていなかった」
OK:「互いの強みを活かして目標達成を目指したいと考えるようになりました」
NG:「パワハラを受けて限界だった」
OK:「業務上のコミュニケーションに課題があり、安心して力を発揮できる環境を求めました」
JAC Recruitmentでは、ネガティブな退職理由を「ポジティブな部分が発揮できずにいた」という悩みとして再定義し、前の職場を中立的な「特徴」として描写した上でメリット面を語る方法を提案しています。
言い換えフレーズは、その場で考えようとすると上手くいきません。
面接前に声に出して練習しておくと、本番でも自然に話せるようになります。

私も実践しましたが、鏡の前やスマートフォンで自分の話す様子を録音して聞き返してみるのも効果的です。
ミドル世代が人間関係を理由に転職する際に見られやすいポイント
30代後半〜40代のミドル世代は、若手とは違う視点で見られます。年齢そのものではなく「今後どう関わっていくか」が問われる、という点を押さえておきましょう。
特に、部下や後輩を持つポジションを経験してきた人ほど、人間関係の伝え方一つで評価が大きく分かれます。
ここからは、キャリア中盤ならではの見られ方を整理します。
マネジメント経験・調整力のアピールに変換する
マイナビ転職の記事に、ミドル世代に企業が求める資質として、
- 「対人スキル」
- 「部下との関わり方」
- 「現場の潤滑油的な存在」
が挙げられています。
経験からくる安定感や、状況に応じた判断力も評価対象です。
同記事では、「部下が失敗したとき、頭ごなしに叱るのではなく、一緒に考えながら支えた」といった調整力のエピソードが評価につながると紹介されています。
人間関係の悩みも、伝え方次第でこうした強みのアピールに変えられるのです。
同記事は、重視されるのは年齢そのものではなく「今後の関わり方」「貢献できる具体性」だと結論づけています。
人間関係での退職理由も、単なる過去の失敗としてではなく、次の職場でどう活かすチームワークの経験かという視点で語り直すことができます。
これまでの経験年数が長いほど、語れる具体的なエピソードも豊富にあるはず。
ミドル世代の転職では、年下上司のもとで働くケースも珍しくありません。転職後に直面しやすい人間関係の具体的な場面については、転職したら年下が上司|職場の人間関係の整え方でも詳しく解説しています。
「転職しても、また同じ悩みを繰り返すのでは」と不安な方は、転職後、職場に馴染めない…ミドル転職者の孤立感が消えた5つの行動もあわせて読んでみてください。

事前に対策を知っておくだけで、不安はかなり和らぎます。
その「言い換え」、自己流のままで本番に臨んでいませんか?
ここまで紹介した言い換えフレーズは、あくまで「型」です。実際の面接では、応募先企業の社風や募集背景に合わせて調整をしないと、かえって微妙な印象を与えてしまうこともあります。
- 一人で準備する:自分では前向きな表現のつもりでも、第三者から見ると言い訳がましく聞こえていないかを客観視がしづらい
- 転職エージェントを併用する:これから受ける求人ごとに、退職理由の伝え方をキャリアアドバイザーと一緒に磨き込める
退職理由の伝え方一つで面接官の受け取り方は大きく変わります。特にミドル世代は「マネジメント経験」「調整力」への言い換えの精度が評価を左右しやすい層です。次に受ける面接に向けて、退職理由の伝え方を客観的にチェックしてもらいたい方は、ミドル世代の転職支援に強いエージェントの活用も選択肢の一つです。
よくある質問(FAQ)
Q. 退職理由が人間関係だと転職で不利になりますか?
人間関係が理由であることは、それだけで不利にはなりません。前述のとおり、人間関係は多くの人が経験している退職理由の一つです。
不利になるのは、伝え方が「他責思考」に見えてしまったときです。
事実ベースで簡潔に伝え、学びと前向きな姿勢を添えれば、マイナス評価にはなりません。
面接官は、退職理由そのものよりも「同じ状況になったとき、また同じ辞め方をする人か」を見ています。再発防止の視点まで話せれば、むしろ自己分析ができる人という評価につながります。
無理にポジティブな理由を作り上げるより、事実に基づいた説明のほうが、結果として説得力を持ちます。
Q. 前職の悪口と受け取られない言い方は?
会社名・部署名・個人名を出さず、感情ではなく事実だけを伝えることが基本です。
「〜が嫌だった」ではなく「〜という状況があった」という表現に置き換えましょう。主語を自分にすることも、悪口に聞こえさせないための重要なコツです。
そのうえで「自分にも改善できる点があった」という一言を添えると、悪口ではなく学びとして伝わります。この記事で紹介した例文や言い換え一覧も、あわせて参考にしてください。
話す前に、家族や友人など第三者に一度聞いてもらうのもおすすめです。自分では気づきにくい表現のクセを、客観的に指摘してもらえます。
Q. 履歴書・職務経歴書にも「人間関係」と書いていい?
履歴書の退職理由欄は「一身上の都合により退職」と記入しましょう。
人間関係の詳細を書面に記載する必要はないのです。
面接で退職理由を聞かれた際に、この記事で紹介した例文や言い換えフレーズを使って口頭で答える、という流れが一般的です。職務経歴書についても同様で、詳細な事情までは書かず、簡潔な一文にとどめておくのが基本です。

人間関係を理由に転職する方を、私はこれまで何人も見てきました。正直に事実を話し、前向きな言葉で締めくくった人は、面接官の反応も柔らかくなっていました。隠す必要はありません。伝え方さえ整えれば、それは十分に納得感のある退職理由になります。
退職理由の伝え方は「対策できる」ポイントです!
人間関係が理由で会社を離れることは、決して珍しいことではありません。大切なのは、隠すことではなく「伝え方」を準備しておくこと。
応募できる求人の数は、自分で探しているだけだと意外と限られます。市場価値を診断してみると、探していなかった選択肢が見えてくることもあります。
まとめ|退職理由が人間関係でも伝え方次第でプラス評価に変えられる
人間関係を理由にした退職は、決して特別なことではありません。
大切なのは、悪口ではなく事実として伝え、自分の学びと前向きな姿勢を添えることです。
今回紹介したデータのとおり、多くの人が本音では人間関係を理由に会社を離れています。あなたの悩みも、隠すべき弱点ではなく、丁寧に言葉を選べば十分に伝えられる経験です。
最後に、面接前のチェックポイントを整理しておきます。
面接という限られた時間の中で、これまでの経験すべてを説明する必要はありません。要点を絞り、事実と前向きな学びだけを簡潔に伝える。
それだけで、あなたの誠実さは十分に伝わります。
- 会社や特定の人物への不満、悪口を口にしない
- 「自分にも改善点があった」という視点を添える
- 再発防止、学びを前向きな言葉で伝える
- 社名、個人名を出さず、事実ベースで簡潔に話す
- NGワードをOKワードに言い換える練習をしておく
この記事で紹介した5つの例文と言い換えフレーズを、ぜひ自分の言葉に置き換えて準備してみてください。
人間関係以外の退職理由も含めて、面接での答え方を幅広く整理したい方は、ミドル転職の面接で使える転職理由の答え方・例文もあわせてご覧ください。
準備を重ねれば、人間関係の退職理由は弱点ではなく、あなたの誠実さと成長を伝える材料になります。ぜひ自信を持って面接に臨んでください。


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